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トークの様子2


トークはこんななごやかな感じで行われました。

ところで溝口さん、30代半ばに見えるらしいんですが、
いいえ、本当は私とあまり変わりません。

でも若いですよね。
20代の頃からほとんど変わっていないような気がします。
つまり20代の頃は、老けていた、もとい、落ち着いてました。
私とは大違い。

それはともかく、トークはチェロ(アンジェラ)のことを中心に、古いものを守るということ、心を伝えるために楽器はある、というようなことをお話いただきました。一部、二部と同じことを喋るのは、恥ずかしいので(ま、もともと台本もないので)、若干、違った内容になりました。

私が心に残ったのは、以下、大意ですが(私の解釈ですが)
心を伝えるために、楽器を鳴らす、それが空気や建物を震わせ、そして聴いている人の鼓膜をふるわせ、最終的に心を震わす。けれど、その震えはそれでおしまいではなく、もう一度、奏者に帰ってくる。その繰り返しが演奏、ということでした。
だから観客の心のふるえによって、音は違ってくる。
鳴りも変わってくるんだそうです。
アンジェラにも伝わるんですね。心がある、生きているんですね。

ステージの最後には、即興で一曲、弾いてくださいました。
観客の心の震え、会場となった客殿の震え、そこから溝口さんが感じた心の震えを、音にしてくれました。もちろん曲も、1回目と2回目ではまったく別のもの。
一回目はやや激しく、2回目はやわらかなものでした。
あとから訊いたところ、1回目は多少、暑かったんだそうです。
2回目は風も吹き抜け、心地よかったと。

きものが袷だったせいもあるかもしれません。しきりに袖が重い、とおっしゃってました。
汗をかいて袂のなかの湿気が上がると、重くなるんですよね。絹はそういうところ、デリケートです。
結局、より生きているもの(生き物)というのは、デリケートなんですよね、環境に敏感に反応する。楽器も同じなのかな。
溝口さん、このアンジェラのほかに、新しい楽器ももっておられるんですが(中国生まれ)、彼女は便利、環境に動じないらしい。
機械的に演奏するなら、後者のほうがいいんでしょうが、生きている音楽、心を奏でようというときは、わがままアンジェラでないと、「奥」が表現できないんでしょうね。
こういうことも、古い建造物に通じるなあ、と思ったこととでした。
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