即興曲のエピソード 絶対音感

開け放しての演奏であったために、外の音がやはり入ってきました。
鳥のさえずり、葉擦れの音は心地いいんですが、人工的な音も入ってくる。
即興曲の演奏の前に、悪しくも京都バスがバックするときのピー、ピーという音が乱入してきました。いわく、その音、B♭(シのフラット)だったらしい。
溝口さん、絶対音感の持ち主です。音程をもつものなら、サイレンだろうが、雨音だろうが、ドレミで聴こえてしまう、という、あこがれの聴力の持ち主。

で、この音に誘発されて、二回目の即興曲は奏で始めたということでした。
けれど自然な、やさしい調べでした。
京都バスさんも、今回、臨時バスを出してたり、と協力してくださっていましたから、それが伝わったのでしょうね。
- | - | URL

曲目は

1.eternal
2.バッハの無伴奏チェロ組曲1番「プレリュード」より
3.ローズ
4.スマイル
5.鳥の歌
6.(即興曲)
7.エスパス
- | - | URL

トークの様子2


トークはこんななごやかな感じで行われました。

ところで溝口さん、30代半ばに見えるらしいんですが、
いいえ、本当は私とあまり変わりません。

でも若いですよね。
20代の頃からほとんど変わっていないような気がします。
つまり20代の頃は、老けていた、もとい、落ち着いてました。
私とは大違い。

それはともかく、トークはチェロ(アンジェラ)のことを中心に、古いものを守るということ、心を伝えるために楽器はある、というようなことをお話いただきました。一部、二部と同じことを喋るのは、恥ずかしいので(ま、もともと台本もないので)、若干、違った内容になりました。

私が心に残ったのは、以下、大意ですが(私の解釈ですが)
心を伝えるために、楽器を鳴らす、それが空気や建物を震わせ、そして聴いている人の鼓膜をふるわせ、最終的に心を震わす。けれど、その震えはそれでおしまいではなく、もう一度、奏者に帰ってくる。その繰り返しが演奏、ということでした。
だから観客の心のふるえによって、音は違ってくる。
鳴りも変わってくるんだそうです。
アンジェラにも伝わるんですね。心がある、生きているんですね。

ステージの最後には、即興で一曲、弾いてくださいました。
観客の心の震え、会場となった客殿の震え、そこから溝口さんが感じた心の震えを、音にしてくれました。もちろん曲も、1回目と2回目ではまったく別のもの。
一回目はやや激しく、2回目はやわらかなものでした。
あとから訊いたところ、1回目は多少、暑かったんだそうです。
2回目は風も吹き抜け、心地よかったと。

きものが袷だったせいもあるかもしれません。しきりに袖が重い、とおっしゃってました。
汗をかいて袂のなかの湿気が上がると、重くなるんですよね。絹はそういうところ、デリケートです。
結局、より生きているもの(生き物)というのは、デリケートなんですよね、環境に敏感に反応する。楽器も同じなのかな。
溝口さん、このアンジェラのほかに、新しい楽器ももっておられるんですが(中国生まれ)、彼女は便利、環境に動じないらしい。
機械的に演奏するなら、後者のほうがいいんでしょうが、生きている音楽、心を奏でようというときは、わがままアンジェラでないと、「奥」が表現できないんでしょうね。
こういうことも、古い建造物に通じるなあ、と思ったこととでした。
- | - | URL

トークの様子1

最初は鶴の間のうしろの障子は閉めていたのですが(音響効果を考えて)、風を感じられたほうが、心の音響は美しくなるだろうとの判断で、溝口さんも許してくださり、半分オープンエアのかたちでの演奏会となりました。

これはトークの様子です。

- | - | URL

読者さんからの感想メール

以下、長いのですが、
参加してくださった読者さんからいただいた感想メールの一部、
アップさせていただきます。

こんばんは。
昨日は素晴らしいコンサートをありがとうございました。

某首相のご発言以来、大安売りな感の「感動」という言葉、
あまり使わないようにしていたのですが(笑)、
やはり「感動した!」というより言葉がありません。

磨きこまれた床に映える瑞々しい緑。
小鳥のさえずりがシンクロしたチェロの音色。
曲に合わせて、外のもみじが呼応するかのように
ザザ〜っとゆれた時、風のせいとは分かっているのですが
「あ、もみじも聴いてる」と思いました。

麻生さんのおっしゃるとおり、耳だけではなく、
身体中に音が伝わってくるのが分かりました。

「60億の人が同時に同じことを考えたら・・・」
という溝口さんの言葉を聞いたとき、
思わず知らず胸が詰まってきました。
溝口さん、ダメですよぉ、
チェロと言葉であまりにも人を感動させ過ぎたら!

(私なんか「60億人が1円ずつくれたら60億円だわ」
  と思うような不謹慎な人間ですが・・・^^;)

冗談はさておき、本当に素晴らしいコンサートでした♪


さっそく友人2人にコンサートの感想と、
お寺のおかれている状況をメールしておきました。
2人とも興味を持ってくれたようです。
私なんか何の力にもなれませんが、
少しずつ広がっていくといいですね。

日本一外国人観光客の訪れる京都。
外国のお客さまが「松葉杖」の痛々しいお寺をご覧になった時、
どう思われるでしょうか。
有形・無形を問わず文化財を大切にしない国は、
いくら経済がよくても尊敬は得られないと思います。
(その経済だって今では?ですもんね)

- | - | URL