あとがき
きものや小物を誂えるたびに、新幹線に乗って、京都に来る知人がいます。
あるとき、やっぱり東京のものとは違いますか、と訊ねたなら、
「気持ちの問題かしらね。京都でお金を使うと、日本の文化に貢献したような気がするのよ。ちょっといい人になった気分になるの」
と、その人は言いました。
最近、その言葉の意味がわかってきたような気がします。
私が京都に暮らすのも、そんな自己満足かもしれません。
さて私の京都の本は、これで九冊目になります。また「茶わん眼鏡で見た、京の二十四節気」に続き、NIKKEI・NET連載の「麻生圭子の茶わん眼鏡で見た京都」から生まれた二冊目の本です。けれどがらりと模様替え。ここのところ京都暮らしや探訪の本が続きましたので、今回は東京視点の京都案内として書き直しました。
京都の小さな旅行記、もてなし視点での体験記。
疲れたなあ、どこかにのんびりしに行きたいな、あ、京都にでも行こうかな、そう思ったときに、情感、五感のガイドブックにしていただければ、筆者として、これ以上、うれしいことはありません。
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